ペットドック
夜間・救急の動物病院の探し方
病院の選び方

夜間・救急の動物病院の探し方

7分で読める

監修: pet-dock編集部

夜間の動物病院ガイド|救急受診の判断基準・探し方・費用相場を獣医師が解説

深夜に愛犬や愛猫が突然ぐったりしたり、激しく嘔吐を繰り返したりしたとき、「今すぐ診てもらえる病院はどこにあるのか」と焦るのは当然のことです。夜間救急に対応している動物病院は全国でも限られており、緊急時に慌てて探し始めると貴重な時間を失いかねません。

この記事では、夜間の動物病院の探し方、受診すべきかの判断基準、診療の流れと費用相場、そして普段から備えておくべきことを獣医師監修のもとで解説します。


今すぐ受診すべきか迷ったら:緊急度チェックリスト

夜間にペットの異変に気づいたとき、最初に確認すべきは「今すぐ夜間救急に行くべきかどうか」です。以下のチェックリストで緊急度を判断してください。

最も緊急性が高い症状(すぐに夜間救急へ)

以下の症状が1つでも当てはまる場合は、迷わず夜間救急の動物病院を受診してください。数時間以内に命に関わる可能性があります。

  • 呼吸が異常に速い・苦しそう: 口を開けてハアハアしている、舌や歯茎が青紫色になっている(チアノーゼ)
  • 意識がない・ぐったりしている: 呼びかけても反応がない、立ち上がれない
  • けいれんが5分以上続く: または短時間のけいれんが繰り返し起こる
  • 大量の出血: 圧迫しても止まらない出血がある
  • 中毒物質の誤飲: チョコレート、ユリ(猫に致死的)、タマネギ類、人間用の薬、殺虫剤
  • 排尿できない(特にオス猫): トイレに何度も行くが尿が出ない。尿道閉塞は24時間以内に急性腎不全を引き起こす
  • お腹が急激に膨らんでいる(大型犬): 吐こうとしても吐けず、落ち着きがない。胃拡張・胃捻転は処置が遅れると死亡率が高い
  • 交通事故・高所からの転落: 見た目に外傷がなくても内臓損傷や内出血の恐れがある

緊急性が高い症状(できるだけ早い受診が望ましい)

  • 3回以上の嘔吐を繰り返している
  • 血が混じった下痢をしている
  • まったく食べない+元気がない状態が続いている
  • 目が赤く充血し、まぶしそうにしている(急性緑内障の可能性)
  • 足をまったくつけない(骨折の疑い)
  • 異物を飲み込んだ可能性がある

翌日の受診で問題ないことが多いケース

  • 1〜2回の嘔吐の後、元気で水も飲めている
  • 軽い下痢だが食欲と元気はある
  • くしゃみや鼻水が出ているが呼吸は正常
  • 皮膚の赤みやかゆみ(急激な悪化でなければ)

判断に迷ったら、まず夜間救急病院に電話してください。 症状を伝えれば、獣医師やスタッフが受診の必要性を判断してくれます。電話相談だけで「明日の受診で大丈夫ですよ」と言ってもらえれば、飼い主の安心にもつながります。


犬種・猫種別に知っておきたい夜間救急リスク

犬種や猫種によって、夜間に起こりやすい緊急症状が異なります。自分のペットに該当するリスクを事前に把握しておくことで、いざというときの判断が早くなります。

犬の場合

リスクが高い犬種 注意すべき緊急症状 理由
ゴールデンレトリバー、グレートデーンなどの大型犬 胃拡張・胃捻転(GDV) 胸が深い体型のため胃が捻れやすい。食後の激しい運動が引き金になることがある
フレンチブルドッグ、パグなどの短頭種 呼吸困難(短頭種気道症候群) 気道が狭く、暑い時期や興奮時に呼吸不全を起こしやすい
ミニチュアダックスフンド 椎間板ヘルニアによる突然の麻痺 胴長の体型が椎間板への負担になりやすい
チワワ、トイプードルなどの超小型犬 低血糖(特に子犬期) 体が小さく糖の蓄えが少ないため、食事を抜くだけで発症することがある

猫の場合

リスクが高い猫種・属性 注意すべき緊急症状 理由
オス猫全般(特に去勢済み) 尿道閉塞 オス猫は尿道が細く、結石や結晶で詰まりやすい。24〜48時間で致命的になりうる
ペルシャ、エキゾチックショートヘアなどの短頭種 呼吸困難 鼻腔が短く、呼吸器トラブルを起こしやすい
メインクーン、ラグドール 肥大型心筋症(HCM)による急変 遺伝的にHCMを発症しやすく、突然の呼吸困難や後肢の麻痺が起こることがある
全ての猫 ユリ科植物の誤食 花粉をなめただけでも急性腎不全を引き起こす。摂取後6〜12時間が治療のタイムリミット

夜間の動物病院を探す5つの方法

緊急度を確認したら、次はどこで診てもらうかです。以下の方法で夜間対応の動物病院を見つけてください。

方法1: ペットドックで「夜間対応」の動物病院を検索する

ペットドックでは、お住まいの地域で夜間対応している動物病院を診療時間や対応内容で絞り込んで検索できます。口コミ評価も確認できるため、病院選びの参考になります。

ペットドックで夜間対応の動物病院を探す →

方法2: かかりつけ医に夜間の連絡先を事前に確認しておく

多くの動物病院は、診療時間外の急患に対して以下のいずれかの対応をしています。

  • 自院の獣医師が当番制で電話対応: 電話連絡の上で来院を指示
  • 提携先の夜間救急病院を案内: 留守番電話でメッセージを録音している場合が多い
  • 地域の夜間救急センターを紹介: 獣医師会が運営する夜間救急施設

「夜間に緊急事態が起きた場合、どこに連絡すればよいですか」とかかりつけ医に事前に確認しておくことを強くおすすめします。

方法3: 地域の夜間救急動物病院を把握しておく

全国の主要都市には、夜間専門の救急動物病院が設置されています。

地域 夜間救急病院の例 診療時間の目安
東京 TRVA動物医療センター、ひがし東京夜間救急動物医療センターなど 20:00〜翌8:00
神奈川 DVMsどうぶつ医療センター横浜など 夜間帯
大阪 大阪どうぶつ夜間急病センターなど 21:00〜翌5:00
愛知 名古屋夜間動物救急センターなど 21:00〜翌2:00
福岡 福岡夜間救急動物病院など 夜間帯
北海道 札幌夜間動物病院など 夜間帯

病院名・診療時間は変更される場合があります。受診前に必ず電話で確認してください。

方法4: 獣医師会のWebサイトで調べる

各都道府県の獣医師会が、夜間・休日診療の当番病院リストを公開しています。「○○県 獣医師会 夜間」で検索すると見つけやすいです。当番制で毎週担当が変わる地域もあるため、最新情報を確認してください。

方法5: 24時間対応の電話相談サービスを利用する

「今すぐ病院に行くべきか判断できない」というとき、獣医師に電話で相談できるサービスがあります。

  • ペット保険付帯の24時間相談ダイヤル: アニコム、アイペットなど主要なペット保険に付帯
  • アニクリ24: 24時間対応のペット健康相談サービス

電話で症状を伝え、受診の緊急性を判断してもらえます。


夜間救急を受診する前に:電話から到着までの流れ

夜間救急を受診すると決めたら、以下のステップで動きましょう。

ステップ1: 夜間救急病院に電話する(所要時間:3〜5分)

  • ペットの種類、年齢、体重を伝える
  • いつからどのような症状が出ているかを説明する
  • 獣医師やスタッフの指示を聞く(来院の可否、搬送時の注意点など)

重要: 電話せずに直接来院すると、受付できない場合があります。必ず事前に電話してください。

ステップ2: 持ち物を準備する(所要時間:5分)

以下のものを持参すると、診察がスムーズに進みます。

持ち物 理由
ペットの診察券・ワクチン証明書 既往歴やワクチン接種状況の確認に必要
現在服用中の薬 薬の相互作用を確認するため
誤飲した物の残り・パッケージ 中毒の場合、成分特定と治療方針の判断に直結する
嘔吐物・便のサンプル(ビニール袋に入れる) 検査の手がかりになる
クレジットカード・現金(3〜5万円目安) 夜間救急は費用が高額になることがある
キャリーバッグまたは大きめのバスタオル 安全な搬送のため
スマートフォン(症状の動画があれば) 発作やけいれんの動画は診断に非常に役立つ

ステップ3: 安全に搬送する

  • : リードまたはキャリーバッグに入れる。骨折や外傷がある場合は、板状のものに載せて動かさないようにする
  • : 必ずキャリーバッグに入れる。パニックで逃走する危険がある
  • 自家用車がない場合: ペットタクシーを手配する。一般のタクシーはキャリーバッグに入れれば乗車可能な場合もあるが、事前確認が必要
  • 運転に不安がある場合: 同乗者がペットの様子を見守りながら移動するのが理想的

ステップ4: 病院到着後の流れ

  1. 受付でペットの情報と症状を伝える
  2. トリアージ(緊急度の判定)が行われる。重症の場合は先に処置に入ることがある
  3. 獣医師の診察を受け、必要な検査・処置の説明と費用の見積もりが提示される
  4. 飼い主の同意のもとで治療が開始される
  5. 治療後、今後の経過観察のポイントと翌日以降の受診指示を受ける

夜間救急の費用相場

夜間救急は診療時間外の対応となるため、日中の診療よりも費用が高くなります。事前に費用感を把握しておくことで、いざというときに冷静に判断できます。

基本的な料金体系

項目 費用の目安 備考
夜間救急診察料 5,000〜15,000円 通常の初診料とは別に加算される
時間外加算 通常料金の1.5〜3倍 検査や処置にも加算される場合がある
入院費(1泊) 5,000〜15,000円 体重や症状の重さで変動する

症状別の費用シミュレーション

ケース1: 嘔吐で受診し、点滴処置で帰宅した場合

項目 費用目安
夜間救急診察料 10,000円
血液検査 8,000円
皮下点滴 3,000円
内服薬 2,000円
合計 約23,000円

ケース2: 異物誤飲で受診し、レントゲン撮影と催吐処置を行った場合

項目 費用目安
夜間救急診察料 10,000円
レントゲン 8,000円
催吐処置 5,000〜10,000円
合計 約23,000〜28,000円

ケース3: 重症のため緊急手術と入院が必要になった場合

項目 費用目安
夜間救急診察料 10,000円
各種検査 15,000〜30,000円
緊急手術 50,000〜200,000円
入院(数日分) 15,000〜50,000円
合計 約90,000〜290,000円

費用負担を軽減する方法

  • ペット保険: 夜間救急の治療費も補償対象になるケースが多い(予防目的でない治療の場合)。窓口精算に対応していない病院では、後日保険会社に請求する
  • クレジットカード払い: 多くの夜間救急病院で利用可能。分割払いが使える場合もある
  • 受付時の確認: 治療に入る前に費用の概算を確認することができる。遠慮せず「費用の目安を教えてください」と伝えてよい

季節ごとに多い夜間救急の症例

季節によって夜間救急に搬送される症例の傾向は変わります。時期に応じた注意点を知っておくと、予防にもつながります。

春(3〜5月)

  • 誤食・中毒: 花壇の植物(ユリ、チューリップ等)の誤食が増える
  • フィラリア症の急性症状: 予防を怠った犬に見られることがある

夏(6〜8月)

  • 熱中症: 短頭種やシニア犬に特に多い。夕方〜夜間に症状が悪化するケースがある
  • 蛇咬傷(へびこうしょう): 散歩中にマムシに噛まれる事例が発生する
  • 食中毒: 気温上昇による食べ物の傷みが原因

秋(9〜11月)

  • ノミ・ダニ由来のアレルギー反応: 秋はダニの活動が活発になる
  • キノコ・栗などの誤食: 散歩コースに落ちている植物の誤食

冬(12〜2月)

  • 不凍液(エチレングリコール)中毒: 甘い味がするため犬猫がなめてしまう。少量で致死的
  • 低体温症: 屋外飼育の犬や、保温が不十分なシニア猫に注意
  • 年末年始の誤食: 人間の食べ物(骨付きチキン、チョコレート、アルコール等)の誤食が増える

普段から備えておくべき5つのこと

夜間の緊急事態に備え、以下を事前に準備しておきましょう。「そのとき」が来てから調べ始めるのでは遅すぎます。

1. 最寄りの夜間救急病院の情報をまとめておく

  • 病院名、住所、電話番号、診療時間をスマートフォンの連絡先に登録しておく
  • 自宅からの経路と所要時間をあらかじめ確認しておく
  • 近隣に2〜3箇所候補があると、1箇所が満床のときにも対応できる

2. かかりつけ医に夜間の対応方針を確認しておく

  • 時間外でも電話対応が可能か
  • 提携先の夜間救急病院はどこか
  • 留守番電話に夜間の案内が録音されているか

3. ペットの基本情報カードを作成しておく

緊急時にスムーズに伝えられるよう、以下の情報をカードやスマートフォンのメモにまとめておきましょう。

  • ペットの種類、犬種/猫種、年齢、体重、性別(避妊去勢の有無)
  • 既往歴(過去の病気や手術歴)
  • 現在服用中の薬の名前と用量
  • ワクチン接種歴
  • アレルギーの有無
  • かかりつけ動物病院の名前と電話番号

4. 搬送手段を確認しておく

  • 自家用車: キャリーバッグを車内に常備しておくと安心
  • ペットタクシー: 深夜対応可能な会社の連絡先を控えておく
  • 一般タクシー: キャリーバッグに入れれば乗車可能なケースもあるが、会社によって対応が異なる

5. 応急処置の基本を知っておく

  • 出血: 清潔なガーゼやタオルで圧迫止血する
  • けいれん: 体を押さえつけず、周囲の危険物を除去して見守る。口に手や物を入れない
  • 中毒が疑われる場合: 自己判断で吐かせない。物質によっては逆効果になる
  • 骨折の疑い: 無理に動かさず、キャリーバッグやタオルで体を支えて搬送する
  • 熱中症: 体を涼しい場所に移し、濡れタオルで首・脇・内股を冷やしながら病院へ向かう

夜間救急を受診した後の注意点

夜間救急の動物病院は、応急処置と安定化を行う施設です。継続的な治療はかかりつけ医に引き継ぐことが前提になっています。

  • 翌日(または指示された日)にかかりつけ医を受診する: 夜間救急病院から紹介状や診療記録が発行されるので、忘れずに持参する
  • 処方された薬は指示通りに投与する: 症状が改善したように見えても、自己判断で中止しない
  • 経過観察のポイントを確認する: 「こういう症状が出たら再度受診」という基準を獣医師に聞いておく
  • 入院が必要な場合: 夜間救急病院からかかりつけ医への転院をサポートしてもらえる

まとめ

  • 呼吸困難、意識消失、けいれん持続、大量出血、中毒、排尿不能は最も緊急性が高い。迷わず夜間救急へ
  • 夜間救急の動物病院は事前に調べておくことが最も重要。緊急時に探し始めるのでは遅い
  • 受診前に必ず電話連絡してから向かう。電話なしでは受付できない場合がある
  • 夜間救急の費用は日中の1.5〜3倍が目安。診察料だけで5,000〜15,000円程度
  • 犬種・猫種ごとにリスクが異なる。自分のペットの弱点を事前に把握しておく
  • 判断に迷ったら24時間対応の電話相談サービスや夜間救急病院への電話で相談する

よくある質問(FAQ)

Q. 夜間救急を受診した後、翌日かかりつけ医に行く必要はありますか?

はい、行く必要があります。夜間救急病院は応急処置を行う施設であり、継続的な治療はかかりつけ医に引き継ぐことが前提です。受診時に渡される紹介状や診療記録を持参して、翌日(または指示された日)にかかりつけ医を受診してください。

Q. 夜間救急は予約が必要ですか?

予約不要で受診できる病院が多いですが、事前に電話連絡してから来院するのが一般的です。電話で症状を伝えることで、到着までに治療の準備を整えてもらえます。混雑状況や待ち時間の目安も教えてもらえるため、まず電話してから向かいましょう。

Q. 夜間救急の費用が心配です。支払いの相談はできますか?

多くの夜間救急病院がクレジットカード払いに対応しています。治療前に費用の概算を説明してもらえるので、「費用の目安を教えてほしい」と遠慮なく伝えてください。ペット保険に加入している場合は、夜間救急の治療費も補償対象になることが多いです。

Q. 通常の動物病院の診療時間外に電話しても大丈夫ですか?

まずはかかりつけの動物病院の代表電話にかけてみてください。留守番電話に夜間の対応先が録音されている病院が多くあります。一部の病院では獣医師が交代で電話対応する当番制を取っていますが、深夜に個人の携帯電話に直接かけることは避けましょう。

Q. ペット保険は夜間救急でも使えますか?

多くのペット保険で、夜間救急の治療費は補償対象になります(予防目的でない治療の場合)。ただし、窓口精算に対応していない夜間救急病院がほとんどのため、一旦全額を支払い、後日保険会社に請求する流れが一般的です。保険証券と診療明細書を忘れずに保管してください。


近くの夜間対応の動物病院を探すペットドックで検索する 今すぐ獣医師に相談する近くの動物病院を探す


関連記事: 動物病院の初診料の相場 | 犬がチョコレートを食べたときの対処法 | 猫がユリを食べたときの対処法 | 犬のけいれん(痙攣)の原因と対処法

夜間
救急
動物病院
探し方

関連記事

動物病院の費用はいくら?診療内容別の料金相場を徹底解説

初診料・手術・検査・予防の費用相場を一覧で比較できます