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猫の抜歯費用 1本あたりの相場と全顎抜歯の費用【獣医師監修】
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猫の抜歯費用 1本あたりの相場と全顎抜歯の費用【獣医師監修】

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猫の抜歯費用 1本あたりの相場と全顎抜歯の費用【獣医師監修】

【結論】 猫の抜歯費用は1本あたり5,000〜15,000円、全顎抜歯(全ての歯を抜く)は15〜30万円が相場です。歯科レントゲン・全身麻酔・入院費を含めた総額で考える必要があり、難治性口内炎(FCGS)の場合は全顎抜歯で約60〜90%の猫で症状が改善する選択肢です。変動要因は抜歯本数/歯周病の進行度/麻酔・入院費の3点です。

猫の口腔トラブルは外から見えにくく、気づいたときには重度の歯周病や口内炎に進行しているケースが少なくありません。猫の歯科治療では「抜歯」が根本的な治療法として選択されることが多く、特に難治性口内炎(FCGS)に対しては全顎抜歯が有効とされています。しかし「猫の抜歯は1本いくらかかるのか」「全部抜くといくらになるのか」といった費用面の不安から、治療をためらう飼い主も多いのが現状です。本記事では猫の抜歯費用について、1本あたりの相場から全顎抜歯の総額まで、費用の内訳を詳しく解説します。

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この記事のポイント

  • 猫の抜歯は1本あたり5,000〜15,000円が相場
  • 全顎抜歯(全ての歯を抜く)は15〜30万円が目安
  • 歯科レントゲン・麻酔・入院費を含めた総額で考える必要がある
  • 猫の口内炎(FCGS)では全顎抜歯により約60〜90%の猫で症状が改善する
  • ペット保険は治療目的の抜歯に適用されるケースが多い
  • 抜歯後も猫はドライフードを食べられることが多い

猫の抜歯が必要になる主な疾患

猫で抜歯が必要になる代表的な疾患は以下の通りです。

歯周病

3歳以上の猫の約70%が罹患しているとされる最も一般的な口腔疾患です。歯石の蓄積 → 歯肉炎 → 歯周炎と進行し、重度になると歯を支える骨(歯槽骨)が溶けて歯がぐらつきます。歯を温存できない段階では抜歯が必要です。

猫の慢性口内炎(FCGS: Feline Chronic Gingivostomatitis)

口腔内の粘膜が広範囲に赤く腫れ、強い痛みを伴う疾患です。原因は完全には解明されていませんが、免疫異常が関与していると考えられています。内科治療(ステロイド・免疫抑制剤)だけでは改善しないケースが多く、全顎抜歯が最も効果的な治療法とされています。

破歯細胞性吸収病巣(FORL / Tooth Resorption)

猫特有の歯の疾患で、歯が内側から溶けていく進行性の病気です。中高齢の猫の約30〜70%に見られるとする報告もあります。痛みを伴い、歯が脆くなるため抜歯が必要です。

歯の破折

硬いものを噛んで歯が折れた場合、歯髄(神経・血管)が露出すると感染のリスクが高まります。根管治療が困難な場合は抜歯が選択されます。


猫の抜歯費用 -- 詳細一覧表

抜歯1本あたりの費用

抜歯の種類 費用目安(1本) 備考
単根歯の抜歯(切歯・犬歯以外) 5,000〜10,000円 根が1つの歯。比較的容易
犬歯の抜歯 10,000〜20,000円 根が長く深い。歯槽骨の切削が必要
臼歯の抜歯(難抜歯) 8,000〜15,000円 根が複数あり、分割抜歯が必要な場合
残根の処理 5,000〜10,000円 歯冠が欠けて根だけ残っている場合

治療目的別の費用総額

治療内容 費用総額の目安 備考
歯周病による部分抜歯(数本) 50,000〜120,000円 術前検査・麻酔・入院費込み
全臼歯抜歯(奥歯のみ全て抜く) 100,000〜200,000円 口内炎の初期治療として選択
全顎抜歯(全ての歯を抜く) 150,000〜300,000円 重度の口内炎・歯周病に対する根本治療
FORL(吸収病巣)の抜歯 50,000〜150,000円 病変の範囲による

全顎抜歯の費用内訳

費用項目 金額の目安 備考
術前検査
血液検査(一般+生化学) 5,000〜15,000円 麻酔リスクの評価
胸部レントゲン 3,000〜8,000円 心臓・肺の状態確認
歯科レントゲン(全顎) 8,000〜15,000円 歯根・骨の状態を詳細に確認
術前検査 小計 16,000〜38,000円
手術関連
全身麻酔 15,000〜30,000円 手術時間により変動
抜歯(全歯: 約30本) 80,000〜200,000円 歯の状態により難易度が変わる
歯肉縫合 10,000〜20,000円 抜歯後の歯肉を縫い合わせる
手術関連 小計 105,000〜250,000円
術後管理
入院費(1〜3日) 5,000〜20,000円 日帰り〜3日入院
術後薬(鎮痛剤・抗生剤) 3,000〜8,000円 7〜14日分
術後再診 2,000〜5,000円 抜糸・経過確認
術後管理 小計 10,000〜33,000円
合計 131,000〜321,000円

全顎抜歯の効果と術後の生活

全顎抜歯の治療成績

猫の慢性口内炎(FCGS)に対する全顎抜歯の治療成績は以下のように報告されています。

  • 完全寛解(症状が完全に消失): 約50〜60%
  • 部分寛解(症状が大幅に改善): 約20〜30%
  • 改善なし・再発: 約10〜20%

全体として約60〜90%の猫で症状が改善し、痛みから解放されます。改善が不十分な場合は、免疫抑制剤やインターフェロンなどの内科治療を継続します。

全顎抜歯後の食事

「歯がなくなったら食べられなくなるのでは」と心配する飼い主は多いですが、実際には全顎抜歯後も多くの猫がドライフードを問題なく食べられます。猫はもともと食べ物をあまり噛まずに飲み込む傾向があるため、歯がなくなっても食事への影響は少ないです。

術後の食事のポイントは以下の通りです。

  • 術後1〜2週間はウェットフードや柔らかいフードを与える
  • 歯肉の治癒後(2〜4週間)は通常のドライフードに戻せることが多い
  • フードの粒が大きい場合は小粒のものに変更する
  • 食欲が改善し、体重が増加する猫が多い

ペット保険の適用と注意点

猫の抜歯にペット保険が適用されるかどうかは、抜歯の目的によって異なります。

抜歯の目的 保険適用 備考
治療目的(歯周病・口内炎・FORL等) 適用されるケースが多い 獣医師の診断に基づく治療であること
予防目的(将来的なトラブル防止) 適用外の場合が多い 健康な歯の予防的抜歯は対象外
歯石除去のみ(抜歯なし) 保険会社による 予防目的とみなされると対象外
先天的な歯の異常(乳歯遺残等) 適用外の場合がある 先天性疾患の除外規定による

加入時の注意点として、歯科治療を補償対象外とする保険プランもあるため、契約前に補償内容を必ず確認してください。


抜歯の手術を受ける病院の選び方

猫の歯科治療は獣医師の経験と設備に大きく左右されます。以下のポイントを参考にしてください。

  • 歯科レントゲン(デンタルX線)の設備がある: 歯根の状態を正確に把握するために必須
  • 歯科治療の症例数が多い: 全顎抜歯は手術時間が2〜4時間に及ぶ高度な手術
  • 麻酔管理の体制が整っている: 麻酔専門の獣医師やモニタリング機器が揃っているか
  • 術後のフォローアップが充実している: 経過観察と追加治療の体制

よくある質問

Q. 猫の抜歯は1本いくらですか?

1本あたり5,000〜15,000円が相場です。歯科レントゲン・全身麻酔・入院費を含めた総額で考える必要があり、抜歯本数が増えるほど麻酔時間も延びるため総額は1本あたりの単価×本数より高くなる傾向があります。歯周病の進行度により抜歯難易度が変わり費用が変動します。

Q. 全顎抜歯の総額はいくらですか?

15〜30万円が相場です。難治性口内炎(FCGS)の治療として行われ、研究では全顎抜歯により約60〜90%の猫で症状が改善するとの報告があります。全身麻酔下で複数回に分けて実施するケースもあり、術前検査・入院・術後ケアを含めた総額で考えるのが基本です。

Q. 抜歯後、猫はご飯を食べられますか?

問題なく食べられるケースが多くなっています。猫は食べ物を噛み砕かず丸呑みする傾向があるため、歯がなくてもドライフード・ウェットフードともに摂取可能です。むしろ痛みのある歯を抜いた方が食欲が回復するケースも多く報告されています。術後2〜4週間は柔らかい食事に切り替えるのが目安です。

Q. 高齢猫でも全顎抜歯は受けられますか?

年齢だけで可否は判断されません。15歳以上でも術前検査で全身状態が良好なら実施されるケースがあります。重要なのは血液検査での腎機能・肝機能、心臓エコーでの心機能評価、麻酔リスクの総合判断です。高齢猫の場合は術前検査をより詳細に行い、麻酔プロトコルを個別に調整するのが目安です。

Q. ペット保険で抜歯費用は補償されますか?

治療目的の抜歯(歯周病・口内炎等)は補償対象となるケースが多いですが、予防目的の処置は対象外となるプランもあります。判定基準は保険会社により異なるため、補償範囲・年齢制限・免責金額を各社の公式情報で資料請求して比較してください。診断書の添付が必要なケースが多くなっています。


まとめ

猫の抜歯費用は1本あたり5,000〜15,000円、全顎抜歯は15〜30万円が相場です。口内炎や重度の歯周病に対しては、抜歯が痛みから解放するための最も効果的な治療法です。費用は高額になりますが、ペット保険の活用や、歯科治療に強い動物病院を選ぶことで、猫にとって最適な治療を受けられる可能性が高まります。日頃から猫の食事の様子や口臭に注意を払い、異変を感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

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