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猫の肝リピドーシス|致死率90%・治療費25〜60万円の現実
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猫の肝リピドーシス|致死率90%・治療費25〜60万円の現実

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猫の肝リピドーシス(脂肪肝)の症状・治療・予防を獣医師監修で徹底解説

【結論】 猫が48時間(特に肥満猫)〜72時間以上食事を摂らない場合は即時受診を強く推奨します(肝リピドーシス発症リスクが急上昇するため)。黄疸(白目・歯茎・耳の内側が黄色)、嘔吐、ぐったり、よだれのいずれかが出現した場合も即時受診が必要です。食欲低下が1日以内で水分摂取と元気が保たれている場合は半日様子見で対応するケースもありますが、肥満猫は24時間以内の受診が安全です。変動要因は絶食期間/肥満度/基礎疾患の有無/月齢の4つです。最終判断は獣医師の診察によります。

この記事のポイント:

  • 肝リピドーシス(脂肪肝)は猫が3〜4日以上食欲不振になるだけで発症する猫特有の致命的疾患です。
  • 致死率は無治療で90%、早期治療で30%以下に低下します。鍵は強制給餌(経腸チューブ栄養)
  • 肥満猫がリスクが高く、ダイエットは絶対に急速にしないこと。減量は週1%以内が鉄則です。

肝リピドーシスとは

猫が食事を摂らない状態が続くと、肝臓に中性脂肪が急速に蓄積し、肝機能が破綻する病気です。ネコ科動物は肝臓での脂質代謝能力が低いため、他動物より遥かに発症しやすい特徴があります。


原因

一次性(原因不明)

突然食欲を失い、発症。肥満猫に多い。

二次性(基礎疾患あり)

基礎疾患 頻度
膵炎
IBD
糖尿病
腎臓病
甲状腺機能亢進症
腫瘍
胆管炎
ストレス(引越し、新しいペット等)

約95%が基礎疾患を伴う二次性で、原因検索が治療と並行して必要です。


症状

初期(食欲不振開始〜3日)

  • 食欲低下
  • 元気低下
  • 軽度の嘔吐

進行期(3〜7日)

症状 詳細
黄疸 白目・歯茎・耳介の皮膚が黄色
重度の食欲廃絶 完全に食べない
元気消失・虚脱 動かない
嘔吐 繰り返す
下痢または便秘
体重減少 急速
脱水 重度

末期

  • 肝性脳症(徘徊、痙攣、意識障害)
  • 凝固異常(出血)
  • 昏睡

リスク因子

因子 リスク倍率
肥満(BCS 6以上) 3〜5倍
急な食事変更
急なダイエット
環境ストレス
他疾患の存在
高齢

診断

検査 内容 費用目安
血液検査 ALT/ALP/GGT顕著上昇、総ビリルビン上昇 8,000〜15,000円
肝機能 アルブミン低下、アンモニア上昇、凝固時間延長 5,000〜10,000円
腹部超音波 肝臓の高エコー化 5,000〜10,000円
肝細胞診(FNA) 空胞化した肝細胞を確認。確定診断 5,000〜10,000円
基礎疾患検索 fPL、T4、FeLV/FIV、画像検査 15,000〜30,000円

治療 -- 強制栄養がすべて

肝リピドーシスの唯一の根本治療は十分な栄養補給です。拒食状態を打破することで肝臓に蓄積した脂肪が代謝されます。

栄養補給の方法

方法 特徴
経鼻食道チューブ 最もシンプル。数日間の短期用
食道チューブ 麻酔下設置。2〜8週間使用可能。最も実用的
胃ろうチューブ(PEG) 長期用だが設置が大変
注射器強制給餌 不十分で誤嚥リスクあり

食道チューブが最適解で、家族が自宅で6〜8回/日の給餌ができます。

併用治療

治療 目的
輸液療法 脱水補正、電解質補正
制吐剤(マロピタント) 嘔吐コントロール
コバラミン(B12)注射 代謝サポート
ビタミンK 凝固異常の改善
SAMe、シリマリン 肝保護
カルニチン 脂質代謝促進
基礎疾患の治療

食事内容

高タンパク・高カロリー食。a/d(ヒルズ)、Recovery(ロイヤルカナン)等の缶詰を使用し、チューブから注入します。

1日必要カロリー: 体重1kgあたり60〜80kcal(RER計算)


治療期間と費用

期間 内容 費用
初期入院(3〜7日) チューブ設置、集中治療 15〜30万円
自宅強制給餌(2〜8週間) チューブ維持管理 5〜15万円
外来フォロー 週1〜2回 3〜8万円
総費用 25〜60万円

【独自】猫の絶食リスクタイマー

絶食時間 リスクレベル
12時間 軽度・要観察
24時間 要診察
48時間 肝リピドーシス発症リスク開始
72時間 肝酵素上昇明らか
7日 致命的

**「猫が食べない=病院」**のルールを徹底してください。


予防

  1. 急なダイエットは厳禁: 減量は週1%以内、月4%以内
  2. 食事変更はゆっくり: 新フードは7〜10日かけて移行
  3. ストレスを最小に: 引越し、新しいペット、留守番時の配慮
  4. 定期健診: 基礎疾患の早期発見
  5. 複数の給餌場所: 多頭飼育では競合回避
  6. 食欲低下に敏感に: 2日食べなければ受診

肥満猫のダイエット方法

BCS 6以上の猫は減量が必要ですが、急なダイエットは肝リピドーシスを誘発します。

項目 内容
減量目標 週0.5〜1%の体重減
期間 6〜12ヶ月
方法 カロリー制限食 + 運動
モニタリング 週1回の体重測定
中止基準 食欲低下、元気低下

受診セルフチェック

  • 2日以上食べていない
  • 白目・歯茎が黄色い
  • ぐったりしている
  • 嘔吐を繰り返す
  • 最近ダイエットを始めた
  • 最近引越しや環境変化があった
  • 肥満体型である
  • 基礎疾患がある

よくある質問

Q. すぐ病院に行くべきですか?

肥満猫が48時間以上、標準体型猫が72時間以上食事を摂らない場合は即時受診の目安です。黄疸(白目・歯茎・耳の内側が黄色)、嘔吐、ぐったり、よだれのいずれかが出現した場合も即時受診が必要です。「もう少し様子を見る」が手遅れにつながるケースが多い疾患のため、早めの判断が予後を大きく左右します。

Q. 自宅でできる対処法はありますか?

水分摂取の確認、室温管理、ストレス源の除去(騒音・新顔ペット・引越し直後の場合)が基本対処です。普段と違うフードへの変更は逆効果になるケースがあるため、いつものフードを少量ずつ手から与えるのが目安です。市販の食欲増進サプリの自己判断使用は避け、48〜72時間絶食が続けば受診を優先してください。

Q. 治療費はどのくらいかかりますか?

初診・血液検査・エコー検査で1〜3万円、食道チューブ設置を伴う入院治療で10〜30万円、退院後の在宅強制給餌期間中の通院・フード代で月1〜3万円が目安となります。重症例や合併症がある場合はさらに高額となるケースもあります。ペット保険の補償範囲を事前確認しておくと安心です。

Q. 再発を防ぐにはどうすればよいですか?

肥満猫の急速減量を避ける(減量は週1%以内が鉄則)、食事を抜かない(給餌時間を一定に)、ストレス源の最小化、定期健康診断(年1回以上、シニア猫は半年に1回)が基本予防策です。基礎疾患(糖尿病・腎臓病・膵炎)がある場合はその管理が再発予防の中核となります。

Q. 何科を受診すればよいですか?

一般内科・消化器科を標榜する動物病院が目安です。食道チューブ設置や長期入院管理が必要なケースでは入院設備・24時間対応病院や二次診療施設への紹介となる場合もあります。日頃から夜間・休日対応病院の連絡先を確認しておくと、緊急時にすぐ動けます。


まとめ

肝リピドーシスは予防が最善の病気です。「猫が2日食べない→病院へ」の一線を家族全員で共有してください。発症しても早期の強制栄養で救命できます。肥満猫のダイエットは絶対に急がないこと、これが飼い主の鉄則です。


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免責事項: 本記事は一般情報であり、個別診療に代わるものではありません。

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