フィラリア予防はいつから?2026年5月開始ガイド・地域別カレンダー
この記事の結論(最終更新: 2026年5月2日):
- 関西・九州: 4月開始がベスト。5月の今からでも遅くない(最終投与は12月〜翌1月)
- 関東・中部: 4〜5月開始が標準。今すぐ動物病院で開始可能
- 東北・北海道: 5〜6月開始。5月後半から始めれば適切
- 沖縄: 通年投与推奨。投与中断中なら抗原検査後に再開
- 投与開始の前に毎年の抗原検査(1,000〜3,000円)が必要
すぐ予防を始めたい方へ: 近くの動物病院を探す | 動物病院で相談する
「フィラリアの予防っていつから始めればいいの?」「うちの地域だと何月から何月まで飲ませるべき?」 -- 春から初夏にかけて、多くの飼い主がこの疑問を持ちます。
結論から言うと、フィラリア予防は蚊が出始める1ヶ月後から、蚊がいなくなった1ヶ月後まで投与するのが基本です。 2026年は温暖化の影響で多くの地域で4〜5月開始・12月終了(9〜10回投与)が推奨されています。
この記事では、今(5月)から始める方への即実行手順、全国8地域の投与カレンダー、子犬・子猫の初回タイミング、投与を忘れた場合のリカバリー、通年予防の判断軸まで、フィラリア予防の疑問を獣医師監修で網羅的に解説します。
【今すぐ実行】2026年5月から始める方への3ステップ
5月時点でまだ投与開始していない方は、1日でも早く動物病院を受診してください。手順は次の3ステップです。
- 動物病院を予約: 近くの動物病院を探すから最寄り院をチェック。GW明けは混雑するため早めの予約が安心
- 抗原検査を受ける: 過去に投与歴があってもブランクがあれば検査必須(1,000〜3,000円、所要15分)
- 5月分の予防薬を投与開始: 検査陰性なら当日から投与可能。次回以降は毎月同じ日付で継続
5月開始でも遅くない理由: 4月にまだ気温が安定していなかった地域では、感染蚊が活動を始めて1ヶ月以内なら駆虫薬で十分対応可能です。ただし6月以降の開始は感染リスクが急上昇するため、5月のうちに必ず開始してください。
フィラリア予防薬を「蚊が出てすぐ」に飲ませなくてよい理由
フィラリア予防薬の仕組みを理解すると、投与開始時期の考え方がクリアになります。
フィラリア予防薬は「駆虫薬」である
多くの飼い主が誤解しているポイントですが、フィラリア予防薬は蚊を寄せ付けない「虫よけ」ではありません。体内に入ったフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)を、心臓に到達する前に駆除する「駆虫薬」です。
フィラリアのライフサイクルは以下のとおりです。
- 感染蚊に刺される -- フィラリアの幼虫(L3)が犬の体内に侵入
- 皮下で成長(約2ヶ月) -- L3からL4、さらにL5へと脱皮しながら成長
- 血管・心臓に移動(感染後約70日~) -- ここまで成長すると予防薬では駆除困難
- 成虫になり心臓・肺動脈に寄生 -- 重篤な症状を引き起こす
予防薬が効果を発揮するのは、ステップ2の段階(L3~L4の幼虫期)です。つまり、蚊に刺されてから約1ヶ月以内に投与すれば、幼虫が心臓に到達する前に駆除できるという仕組みです。
だから「蚊が出始めた翌月」からの投与で間に合う
この仕組みを踏まえると、投与スケジュールは次のようになります。
- 投与開始: 蚊が活動を始めた1ヶ月後から
- 投与終了: 蚊がいなくなった1ヶ月後まで(これが重要)
「蚊がいなくなった後もなぜ飲ませるの?」という疑問を持つ方が多いですが、最後に刺された可能性のある時期から1ヶ月後に投与しないと、体内に残った幼虫を駆除できません。最終投与を忘れることが、フィラリア感染の最も多い原因の一つです。
地域別フィラリア予防カレンダー【2026年版】
フィラリアを媒介する蚊が活動するには、外気温が約14度C以上になる必要があります。感染リスクの指標として「HDU(Heartworm Development Unit)」という蚊の体内でフィラリア幼虫が発育するのに必要な積算温度の単位が用いられます。
以下は、各地域の気象データに基づく推奨投与期間です。
| 地域 | 投与開始月 | 投与終了月 | 投与回数(月1回) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道(札幌) | 6月 | 11月 | 6回 | 近年は5月開始を推奨する獣医師も |
| 東北(仙台) | 5月 | 12月 | 8回 | 冬の寒さで蚊は確実に消滅 |
| 関東(東京) | 4月~5月 | 12月 | 8~9回 | 都市部はヒートアイランドで蚊の活動期間が長い |
| 中部(名古屋) | 4月~5月 | 12月 | 8~9回 | |
| 関西(大阪) | 4月 | 12月 | 9回 | |
| 中国・四国(広島) | 4月 | 12月 | 9回 | |
| 九州(福岡) | 4月 | 12月~1月 | 9~10回 | 暖冬の年は1月投与が安全 |
| 沖縄(那覇) | 通年投与推奨 | 通年投与推奨 | 12回 | 年間を通じて蚊が発生 |
重要な注意点: 上記はあくまで目安です。同じ都道府県内でも標高や都市部と郊外で気温差があるため、かかりつけの獣医師に相談して、お住まいの地域に最適な投与スケジュールを決めてください。
温暖化で投与期間は延びている
近年の温暖化の影響で、蚊の活動期間は年々長くなっています。
- 2020年時点: 関東地方の推奨投与期間は5月~12月(8回)が主流
- 2026年現在: 4月~12月(9回)を推奨する獣医師が増加
環境省のデータによると、東京の年平均気温は過去30年間で約1.5度C上昇しています。それに伴い、「以前より1ヶ月早く投与を開始すべき」という見解が獣医療界で主流になりつつあります。
「去年と同じ時期に始めれば大丈夫」と思い込まず、毎年かかりつけ医に確認する習慣をつけましょう。
子犬・子猫はいつからフィラリア予防を始める?
子犬の場合
子犬は**生後8週齢(約2ヶ月)**からフィラリア予防薬を投与できます(製品によって異なるため、必ず獣医師に確認してください)。
投与開始のポイント:
- 生後初めての蚊のシーズン前: 子犬を迎えた時期が春なら、すぐに獣医師に相談
- 体重制限: 多くの予防薬は体重1.5~2kg以上から使用可能
- ワクチンスケジュールとの調整: 混合ワクチンの接種スケジュールと並行して計画を立てるのがベスト
- 初回投与前の検査: 生後7ヶ月未満で初めて投与する場合、フィラリア検査は不要なことが多い(感染していても成虫になる前のため)
子猫(猫)の場合
猫もフィラリアに感染します。犬と比べて症例は少ないものの、猫は犬より少数の寄生でも重篤化しやすい点に注意が必要です。
- 投与開始時期: 生後8週齢以降(製品による)
- 猫用の予防薬: レボリューション(R)、ブロードライン(R)など、猫用として認可された薬を使用
- 完全室内飼いでも必要: 蚊は室内にも侵入するため、室内飼いの猫でもフィラリア予防は推奨される
フィラリア予防のよくある疑問と注意点
予防薬の投与を1ヶ月忘れてしまったら?
予防薬の投与を忘れた場合、焦らず以下の手順で対応してください。
- 気づいた時点ですぐに投与する -- 数日~2週間程度の遅れなら、すぐに投与して次回から通常スケジュールに戻す
- 1ヶ月以上空いた場合は獣医師に相談 -- 体内で幼虫が成長している可能性がある
- 翌年春にフィラリア検査を受ける -- 投与漏れがあった年の翌シーズン開始前には、必ず抗原検査で感染の有無を確認
絶対にやってはいけないこと: 既にフィラリアに感染している状態で予防薬を投与すると、体内のミクロフィラリアが一斉に死滅し、アナフィラキシーショックを起こす危険があります。長期間投与を中断した場合は、自己判断で再開せず、必ず獣医師の検査を受けてください。
毎年のフィラリア検査は本当に必要?
「毎年ちゃんと予防薬を飲ませているから検査は不要では?」と思う方もいますが、毎年の検査は必要です。
その理由は以下のとおりです。
- 投与後に薬を吐き出した可能性: 飼い主が気づかないうちに吐き戻していることがある
- 薬の吸収が不十分だった可能性: 下痢をしていた、スポット剤がシャンプーで流れたなど
- 投与間隔のずれ: 31日以上空いてしまった月がある
検査費用は1,000~3,000円程度です。万が一の感染を早期発見できることを考えれば、非常に費用対効果の高い検査と言えます。
通年予防(12ヶ月投与)は必要?
近年、一部の獣医師は蚊のシーズンに関係なく12ヶ月間の通年予防を推奨しています。
通年予防のメリット:
- 投与忘れのリスクがゼロになる
- 暖冬で予想外に蚊が発生しても安心
- オールインワン薬(フィラリア+ノミダニ+消化管内寄生虫)を使えば、寄生虫対策が年間通じてカバーできる
- 毎月の投与が習慣化するので忘れにくい
通年予防を特に検討すべきケース:
- 沖縄・九州南部など温暖な地域に住んでいる
- マンションの高層階など、冬場でも蚊が発生する環境
- 投与忘れが心配な飼い主
- オールインワン薬でノミダニ予防も一緒にしたい場合
費用面では月1回の投薬を12ヶ月にすると年間コストは上がりますが、フィラリア予防の費用と薬の種類を比較の記事で詳しく解説しているとおり、オールインワン薬を選べばフィラリア+ノミダニ予防の合算で考えると大きな差にならないケースもあります。
予防開始前にやるべきこと -- 春の予防シーズンチェックリスト
毎年春のフィラリア予防シーズンに向けて、以下のチェックリストを活用してください。
- フィラリア抗原検査の予約: 投与開始前に必ず検査(前年の投与歴に関わらず推奨)
- 体重の測定: 予防薬は体重で用量が決まるため、最新の体重を把握
- 前年の投与記録の確認: 投与開始月・終了月・使用した薬の種類を確認
- 薬の種類の相談: チュアブル(おやつタイプ)、錠剤、スポット(滴下)、注射のどれが愛犬・愛猫に最適か相談
- ノミ・ダニ予防との同時検討: オールインワン薬にするか、別々にするかを決定 → 犬のノミ・ダニ予防の方法と薬の選び方
- 投与スケジュールの設定: スマホのリマインダーに月1回の投与日を登録
フィラリアに感染するとどうなる?予防の重要性
予防の重要性を理解するために、フィラリア感染時の症状を知っておきましょう。
犬のフィラリア症の症状
| ステージ | 主な症状 | 治療の難易度 |
|---|---|---|
| 初期(感染~数ヶ月) | 無症状、または軽い咳 | 投薬治療で対応可能な場合あり |
| 中期(寄生数が増加) | 運動を嫌がる、咳が増える、疲れやすい | 長期的な投薬治療が必要 |
| 重症期 | 腹水、呼吸困難、血尿、失神 | 外科手術が必要になることも。命に関わる |
| 大静脈症候群 | 突然の虚脱、チョコレート色の尿 | 緊急手術が必要。致死率が高い |
猫のフィラリア症の特徴
猫はフィラリアの「本来の宿主」ではないため、犬とは異なる特徴があります。
- 少数(1~2匹)の寄生でも重篤化: 犬より体が小さいため、少ない寄生数でも影響が大きい
- 診断が困難: 猫のフィラリア検査は犬より偽陰性が出やすい
- 確立された治療法がない: 犬用の駆虫薬は猫には使えないため、対症療法が中心
- 突然死のリスク: 無症状から突然死に至るケースがある
猫は「治療が難しいからこそ予防が唯一の対策」です。
まとめ -- フィラリア予防の開始時期を判断するポイント
| 判断基準 | 推奨アクション |
|---|---|
| お住まいの地域 | 上記の地域別カレンダーを参考に、かかりつけ医に確認 |
| 子犬・子猫の月齢 | 生後8週齢以降で、獣医師と相談のうえ開始 |
| 前年の投与漏れ | 翌シーズン開始前に必ずフィラリア検査を受ける |
| 猫の飼い主 | 完全室内飼いでも予防を推奨。猫用の予防薬を使用 |
| 投与忘れが心配 | 通年予防の検討 + スマホリマインダーの活用 |
フィラリアは予防すればほぼ確実に防げる病気です。一方で、感染すると犬は長期治療が必要になり、猫は有効な治療法がありません。
よくある質問(FAQ)
Q1: フィラリア予防薬はいつからいつまで飲ませるべきですか?
A1: 蚊が活動を始めた1ヶ月後から、蚊がいなくなった1ヶ月後までが基本です。多くの地域では4月~12月が標準的な投与期間ですが、住んでいる地域の気温によって異なります。上記の地域別カレンダーを参考に、かかりつけの獣医師に確認してください。
Q2: フィラリア予防にかかる費用はどのくらいですか?
A2: フィラリア予防薬の費用は体重・薬の種類によって異なりますが、小型犬で1回あたり8002,000円、年間(89回投与)で約8,00018,000円が目安です。毎年の抗原検査(1,0003,000円)も合わせると、年間の予防費用は約10,000~20,000円が一般的です。オールインワン薬(フィラリア+ノミダニ)を選ぶとトータルで割安になるケースもあります。詳しくは「フィラリア予防の費用と薬の種類を比較」をご覧ください。
Q3: フィラリア予防薬を1ヶ月飲ませ忘れた場合、どうすればよいですか?
A3: 数日~2週間の遅れなら気づいた時点ですぐに投与し、次回から通常スケジュールに戻してください。1ヶ月以上空いた場合は獣医師に相談が必要です。長期間の中断後に自己判断で再開すると、既に感染している場合にアナフィラキシーショックを起こす危険があります。翌年春のフィラリア検査も必ず受けてください。
Q4: 猫にもフィラリア予防は必要ですか?
A4: 必要です。猫はフィラリアの「本来の宿主」ではないため感染率は犬より低いですが、1~2匹の寄生でも重篤化しやすく、確立された治療法がありません。完全室内飼いでも蚊は室内に侵入するため、レボリューション(R)やブロードライン(R)などの猫用予防薬による予防が推奨されています。
Q5: フィラリアの検査は毎年必要ですか?
A5: はい、毎年の検査を推奨します。投与後に薬を吐き出していた可能性、薬の吸収が不十分だった可能性、投与間隔のずれなどにより、きちんと予防していたつもりでも感染リスクはゼロではありません。検査費用は1,000~3,000円程度で、万が一の感染を早期発見できる費用対効果の高い検査です。
Q6: フィラリア予防薬の通年投与(12ヶ月)は必要ですか?
A6: 沖縄・九州南部など温暖な地域では通年投与が推奨されます。それ以外の地域でも、投与忘れ防止やオールインワン薬でノミダニ予防を併せたい場合には通年投与のメリットがあります。費用は月1回×12ヶ月分となりますが、オールインワン薬を選べばフィラリア+ノミダニの合算で大きな差にならないケースもあります。かかりつけの獣医師と相談して決めてください。
参考文献
- American Heartworm Society (AHS). "Current Canine Guidelines for the Prevention, Diagnosis, and Management of Heartworm (Dirofilaria immitis) Infection in Dogs." 2024年改訂版. https://www.heartwormsociety.org/veterinary-resources/canine-guidelines
- 環境省. 「気候変動影響評価報告書」2025年版. 気温上昇による感染症媒介動物の分布変化データ.
- 日本獣医師会. 「犬糸状虫症(フィラリア症)の予防に関するガイドライン」. https://www.nichiju.or.jp/
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この記事は獣医師の監修のもと、pet-dock編集部が2026年4月時点の情報をもとに作成しました。症状や治療法は個体差があるため、心配な場合は必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を推奨するものではありません。愛犬・愛猫のフィラリア予防については、お住まいの地域の気候を踏まえてかかりつけの獣医師にご相談ください。